アフタートークレポート  稽古場レポート  ロングインタビュー
アフタートークレポート(2)

私も稽古場にお邪魔したんですが、その後読んでしまいました。読みたくなりますよね。見てしまうと引きずられるということはありますか?
鶴見 消そう消そうとしてもどこかで残っているところはあると思います。でもそれに頼るような役の作り方はしてないです。
手塚  私たちには漫画を読んでみたくなるというのが一番うれしくて、舞台をご覧になってちょっと原作読んでみようかしらと手塚治虫に興味を持ってもらえるというのが何よりもありがたいことです。それだけインパクトのある舞台を作っていただき、本当に幸せだなと思います。

手塚作品というのは描かれた時期や設定がたとえ昔でも「今」を感じますが、そういう未来を見通した目というものは感じられますか?
手塚 未来への答えは漫画の中では出していないと思うんですが、その答えを次の読者に、そしてまた次の読者にとバトンタッチしていくようなものになればいいなと。最終的には、読んだ人にどんな疑問が残っていくだろうかということをすごく考えていたんではないかと思います。

いまご自分の役に声が掛けられるとしたら、どんな言葉を掛けたいですか?
鶴見 ありがとう、ですね。いまこの日本に平和をとりあえずもたらしてくれて。峠草平って私の祖父とだいたい同じぐらいの年齢だと思うんです。祖父が生きていたら今の日本をどう見ていたんだろうとか、そんなことを考えながら、峠草平を演じています。
成河 いい質問ですよね(笑)。いままでされたことないです。僕の答えは、いま公演2日目ですけど、それに答えるためにお芝居やっている気がします。大切なのは理解しようとし続けること。それに答えるために千秋楽までやり続けるのかな。
鶴見 いや、成河さんのアドルフ・カウフマンは「こういう男でありたい」というキャラクターじゃないから(難しいんです)。彼の役は俳優としていつも抵抗を感じながら演じなきゃいけないからね。
成河 でも理解してあげたいと思っているんですよ。善良だった人が悪に手を染めていくという話ではないじゃないですか。絶対理解できるわけはなくて、誰でもなり得るというものでもないしね。

最後に、今日来てくださった方と今後の公演を見てくださる方にメッセージを。
鶴見 ぜひ今日来ていただいた方の娘や息子の世代の方に見ていただきたいですね。当たり前のように感じていることが当たり前でないということ、そして平和というものは私たちが努力しないと作っていけないということを考えていくきっかけになればいいと思います。ぜひ若い世代の方に勧めていただければと思います。
手塚 原作で伝えきれなかったことを演出家、脚本家、演者の皆さん、そして音楽や照明など全員が伝えようという力強いメッセージを感じました。この物語が何を伝えたかったかというバトンを受け取った人が次の人に何を残そうとしているのかということをこの場で感じ取ってほしいなと思います。
成河 僕や僕の下の世代の人は想像力が貧困になっているから、自分の知らないものとのつきあい方とかを知らない。(現代って)自分の知らないものとつきあわずに済む社会になってきているじゃないですか。興味のないことは知らなくても生きていけるんですけど、でもほんとはそういうところに足を踏み入れていくことに意味があって価値があるということを、こういうかたちで理解できるんじゃないかという問いかけなんだと思います。ぜひまわりの方にも声を掛けていただいて、いろんな方に観ていただきたいと思います。

本日はどうもありがとうございました。
鶴見・成河・手塚 ありがとうございました。

【 全 日 程 終 演 い た し ま し た 】
たくさんの皆様のご来場、
誠にありがとうございました。
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舞台「アドルフに告ぐ」公式ホームページ | 2015年6月3日(水)~6月14日(日) | KAAT神奈川芸術劇場 ほか
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